はじめに
スマートフォンやパソコン、ネット口座やSNSなど、私たちの生活は多くのデジタル情報に支えられています。
その情報が、もし自分にしか分からないままになっていたとしたら、万が一の際に周囲が対応に困る可能性があります。
この記事では、「デジタル終活」の基本的な準備事項を4つに整理し、実際に何をしておけばよいのかを簡潔に解説します。
1. パスワードの整理
デジタル機器やオンラインサービスへのアクセスには、パスワードやロック解除コードが必要です。
これらが分からない場合、残された人が中身を確認することが難しくなります。
整理の対象となる主な情報:
- スマホやパソコンのロック解除コード
- メール・SNSなど主要なログイン情報
- ネット銀行・証券口座のIDとパスワード
これらは紙に記録する、エンディングノートに記入する、またはパスワード管理アプリを利用するなど、自分に合った方法で一元管理しておくことが望まれます。
2. SNS・クラウドアカウントの方針を決める
Google、LINE、FacebookなどのクラウドサービスやSNSアカウントは、死亡後に削除・保存・追悼化といった選択肢があります。
サービスごとに手続きの流れや条件が異なるため、あらかじめ意向を整理しておくとスムーズです。
例:
- Facebookは「追悼アカウント」へ設定可能
- Googleは「アカウント無効化管理ツール」で事前設定が可能
- LINEのトーク履歴や写真は、原則として第三者は閲覧不可
利用中の主要サービスについて、一度は公式の方針を確認しておくと安心です。
3. ネット契約やサブスクリプションの整理
多くの人が、日常的に複数のデジタル契約を利用しています。
解約漏れや不明な引き落としを防ぐためにも、現在契約しているサービスをリストアップしておくことが重要です。
主な対象:
- 動画・音楽配信サービス(Netflix、Spotifyなど)
- クラウドストレージ(Google One、iCloudなど)
- その他月額課金サービスやアプリ課金
契約先・契約内容・支払い方法を整理した一覧表を残しておくと、家族が対応しやすくなります。
4. 情報の保管と伝達方法の工夫
情報を整理しただけでは不十分です。
実際に必要となったときに、家族が見つけられるようにしておくことも同じくらい大切です。
考慮すべき点:
- エンディングノートの保管場所を家族に伝えておく
- パスワード管理アプリのマスターパスワードのみを別途共有する
- USBや紙媒体に記録した場合は、所在や用途も明示しておく
整理した情報が「存在する」だけでなく、「使える形」で残されていることが理想です。
まとめ
デジタル終活は、特別な準備が必要というわけではありません。
現在使用している機器やサービスを見直し、必要な情報を整理・保管しておくだけで、家族の負担を大きく減らすことができます。
できるところから始めて、少しずつ整えていくことが現実的な第一歩です。
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