はじめに
日々の暮らしの中には、本人しか把握していない情報が多くあります。
たとえば、銀行口座の詳細、スマートフォンのロック解除方法、重要なファイルの保存場所など。
こうした情報が共有されていなければ、万が一のときに家族が対応できなくなる可能性があります。
この記事では、家族に伝えておくべき生活情報の項目と、記録のコツを整理しています。
すべてを完璧に書き残す必要はありません。まずは把握している情報を、わかる範囲で書き出していくことが大切です。
なぜ生活情報の共有が必要か
多くの情報は、日常生活の中で「本人が知っていて当然」となり、
改めて整理されないまま放置されがちです。
しかし、家族が知らなければ、手続きや確認が進まず、次のようなリスクが生まれます。
- ネット銀行や証券口座の存在に気づかず、資産が取り出せない
- スマホやPCのロックが解除できず、写真や連絡先にアクセスできない
- 保険や保証の請求ができないまま期限を過ぎてしまう
- サブスクやクレカ年会費が引き落とされ続ける
情報があるのに伝わっていないことで、手間や損失が生じるのは避けたいところです。
家族に伝えるべき生活情報リスト
以下のような情報を、必要に応じて一覧化しておくと、家族が困らずに対応できます。
1.金融関係
- 銀行名・支店名
- 口座番号(または通帳の保管場所)
- ネットバンキングの有無とログイン方法(IDのみ)
- 借入・ローンの有無と内容
- クレジットカードの種類・年会費・引き落とし口座
※ 暗証番号やパスワードは別紙や専用アプリで管理し、「保管場所」だけ記録するようにしましょう。
2.スマホ・パソコンまわり
- スマートフォンのロック解除方法(PIN・指紋・顔認証など)
- パソコンのログイン方法(パスワード、指紋など)
- よく使うアプリ(LINE、メール、写真、SNS、クラウドストレージなど)
- 各種サービスのログインIDとパスワード(別紙または管理アプリに記録)
🔍 ID・パスワードの管理について
アプリやオンラインサービスの多くは、IDとパスワードがなければ操作や解約ができません。
ノートに直接記入せず、パスワード管理アプリや別紙にまとめて保管場所だけ記録しておく方法が安全です。
例:
- 「パスワード一覧はUSBメモリに保存。机の引き出し左側」
- 「パスワード管理アプリ“1Password”にすべて登録済み。マスターパスワードは別紙参照」
📁 パソコン内の重要ファイルについて
パソコンに写真、通帳コピー、遺言の下書きなど大切なデータを保管している場合は、
「何がどこにあるのか」を一覧にして残しておくと、家族が探しやすくなります。
ファイル名 | 保存場所(フォルダ名など) | 備考 |
---|---|---|
通帳一覧.xlsx | ドキュメント > 終活フォルダ | 最終更新日を記録 |
保険スキャン.pdf | Dドライブ > 保険書類フォルダ | 保険番号入り |
写真.zip | 外付けHDD内 | 家族旅行用/バックアップ済み |
また、重要なファイルは外付けHDDやUSBメモリに定期的に保存・整理しておくと、あとから探しやすくなります。
3.契約関係
- 加入中の保険・共済(保険会社名、証券番号)
- クレジットカード・サブスクなどの契約情報
- 電気・ガス・水道・インターネットなどのインフラ契約
- 携帯電話・Wi-Fi契約の詳細
※ 自動引き落とし契約があるものは、特に把握しておくと解約漏れを防げます。
4.モノの保管場所
- 実印・銀行印・認印
- 自宅、金庫、車などの鍵
- 保険証券、不動産書類、契約書などの重要書類
- 有価証券、保証書類などの保管場所
※ 「〇〇棚の引き出し」「書類ボックスA」など、場所を具体的に記録しておくと非常に助かります。
5.その他
- よく使う通販サイトのID・パスワードの管理方法
- SNSアカウント(Facebook、X など)
- ポイントカードやマイルなどの利用履歴
- ペットに関する情報(病院、食事、性格など)
書き方のポイント
1. すべてを細かく書かなくてもよい
重要なのは、「何があるか」「どこにあるか」が分かる状態です。
内容を詳細に書きすぎるよりも、見やすく、家族が後からたどれる形にしておくことを優先しましょう。
2. 情報がないことも記録する
「保険:未加入」「借金:なし」などの記載も、
調べる手間を省くうえで大切な情報になります。
3.定期的に見直す
生活環境や契約内容は時間とともに変化します。
半年〜1年ごとを目安に情報を更新し、「見直し日」を記載しておくと管理しやすくなります。
まとめ
生活情報の多くは、日々使っている本人にしか分かりません。
それらを整理して、伝わる形で残しておくことは、
家族への負担を軽くし、トラブルを防ぐうえでも効果的です。
まずは、今すぐ思いつくことから書き出してみるだけでも構いません。
情報の見える化が、安心につながる第一歩になります。
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