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「使わないモノ」が家族の負担になる前に。持ち物を整理するという終活

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暮らしの“あと片づけ”を今から始める理由

父はDIYが趣味で、棚や小物をよく自作していました。工具も豊富に持っていて、体調を崩すまでは頻繁に作業していたようです。
しかし、体調が悪くなってからは作業が途中で止まり、工具や部品、材料がそのままの状態で残されていました。

父が亡くなった後、作業場の整理は想像以上に大変でした。
使用できるかどうかの判断、錆びた工具の処分、パーツ別に分けられた棚の中身の確認……。本人にしかわからない分類も多く、「元気なうちに一緒に片づけられていれば」と思ったのを覚えています。

1. なぜ「持ち物の整理」が終活に必要なのか

「いつか使うかもしれない」「まだ使えるから」――自分ではそう思って残していても、他の人にとっては使い道が分からず、処分に困ることがあります。
特に高齢の方は、気づかないうちにモノが増えていることも少なくありません。

持ち物の整理は、ただの片づけではなく、自分の暮らしを見直すきっかけになります。
そして、残される家族にとっては「負担を減らすための思いやり」にもなります。

また、「これは残してほしい」「これは処分してかまわない」と意志を示しておくことで、遺された家族の判断もずっとラクになります。

2. 実家のモノ整理で困ったこと

父の作業場には、多種多様な工具や部品がありました。
体調を崩してからは、作業途中のまま倉庫に残されたものも多く、どれが必要で、どれが不要かの判断にとても苦労しました。

中には、劣化して使えなくなっている道具や、錆びている工具もあり、分別や処分手続きにも手間がかかりました。

「本人にしかわからないモノ」は、残された人には判断がつかないことも多い。
思い入れがあるモノほど、家族にとっては扱いに迷う存在になります。

生前に整理しておけば、あれほど悩まずに済んだかもしれません。

3. 自分自身の持ち物整理で意識していること

この経験をきっかけに、私は自分の身の回りのモノを少しずつ見直すようになりました。
特に意識しているのは、「使っていないものは早めに手放す」ことです。

たとえば、昔使っていたゲーム機はすべて手放しました。
読み終えた本や、役目を終えた資格の参考書も処分しています。

また、モノを増やさない工夫として、漫画は電子書籍に、CDはプラケースを処分してディスクのみ保管するようにしました。
保管スペースを圧縮することで、暮らしも気持ちも軽くなった気がします。

今も一時的に本が増えることはありますが、役目を終えたら速やかに手放すようにしています。

4. 整理しやすくするための工夫

モノを処分する際、「本当に捨てていいのか」で迷うこともあります。
そんなときに助けになるのが、自分なりの“判断基準”です。

私が意識しているポイントは以下の通りです:

  • 1年以内に使ったかどうか
     使っていないものは、基本的に処分対象。
  • 代わりになるものがあるか
     似たような道具がある場合は、どちらかを手放します。
  • また買えるものかどうか
     必要なら再購入できるものは、手放してOKと考えます。

すぐに決められないモノについては、一時的に“保留ボックス”をつくっておき、期間を決めて見直すようにしています。
これだけでも、処分のハードルはかなり下がります。

5. 増えたときのために「処分方針」を書き残す

いったん整理しても、生活をしていればモノはまた増えていきます。
だから私は、「増えすぎない仕組み」を心がけています。

たとえば――

  • 趣味のモノは、使う分だけ持つ
     ゲーム機・漫画・CDなど、使わなくなったタイミングで処分。
  • 資格関連の本や参考書は、終わったらすぐ処分
     次に使う人がいれば、譲ることもあります。
  • 新しく買うときは「何かを手放す」ことをセットに
     入れ替えの意識を持つことで、モノが増えすぎません。

6. 増えたときのために「処分の方針」を明文化

それでも残ってしまうモノもあります。
そうしたときのために、私はエンディングノートに「処分方針」を明記しています。

書いているのは以下の2点です:

  • 基本的には、すべて処分して構わないこと
  • 明らかに価値があるものは、売却してもらってよいこと

残された人が悩まないように、「判断の軸」を示しておくことが、私なりの責任だと考えています。


7. 思い出の品の扱い

写真や手紙、思い出の品など、捨てづらいものもあります。
私はそうしたものをすべて捨てるつもりはありません。
ただし、「残す理由」や「自分にとって何なのか」はメモに添えるようにしています。

思い出そのものではなく、気持ちや背景が残っていれば、家族も判断しやすいと考えています。


8. おわりに

持ち物の整理は、ただの片づけではなく、これからの暮らしを整える「準備」です。
モノを減らし、増えすぎないように意識し、自分の意志を残すこと。
それだけで、残される人の負担はずいぶん軽くなります。

日々の小さな整理が、やがて大きな安心につながっていくと感じています。

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この記事を書いた人

父の死をきっかけに、終活と向き合うようになった40代。
「自分の人生を、自分らしく整える」ために始めたこのブログでは、終活の準備や気づきを、発信します。

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