「自分にしかわからない」を残さないために
終活を進める中で意外と見落とされがちなのが、「契約や名義の整理」です。光熱費、銀行口座、クレジットカード、サブスクリプションなど、日常の中にある契約は思った以上に多く、そのままにしておくと、家族が困る場面が出てきます。
私自身、父の死後に名義変更の手続きをする中で、「どの口座から何が引き落とされていたか」が分からず戸惑いました。不要な口座やカードの整理も大変で、「これは自分も見直しておくべきだ」と痛感した経験があります。
この記事では、契約や名義を整理する具体的な方法と、気をつけておきたいポイントを紹介します。
1. 光熱費の支払い口座と名義
電気・ガス・水道といったライフラインの契約情報は、死後すぐに確認・手続きが必要になります。
どの口座から引き落としているかが明確になっていないと、残された家族が混乱します。
契約者名義が本人の場合、解約や名義変更には死亡届の写しや本人確認書類、お客様番号などが必要になることも。あらかじめ整理しておくとよいです。
おすすめは、以下の情報をメモしておくことです:
- 契約している事業者名(例:東京電力、○○ガス)
- お客様番号
- 引き落とし口座
- 名義(本人か、家族か)
2. 銀行口座は「使っていない口座」を優先して解約
父が亡くなった後、休眠状態だった古い口座の存在が明らかになり、母が金融機関を何度も訪れ、手続きを進める姿を見て、休眠口座が残された家族にとって大きな負担になることを痛感しました。
相続が発生すると、故人名義の全口座について、取引履歴や残高の確認が必要になる場合があります。たとえ使っていなくても、口座があるだけで調査や手続きの対象になるのです。
また、複数の銀行・支店にまたがって口座を開設していると、その分だけ負担も増します。
その経験をきっかけに、私は現在使っていない口座を整理し、必要最低限の管理しやすい口座だけを残すようにしました。
残された家族の手間を減らすという視点からも、今のうちに口座の棚卸しをしておくことをおすすめします。
3. クレジットカードは「使っていないもの」から解約
多くの人が複数枚のクレジットカードを保有していますが、使っていないカードは遺族の手続きを煩雑にする要因になります。
特に注意したいのは以下のようなカードです:
- 年会費がかかるもの
- 自動引き落としが設定されているもの
- 本人以外が存在を把握していないもの
私も終活の一環でカードを整理し、実際に使用しているカードのみを残しました。解約は電話やオンラインで比較的簡単に行えます。
4. サブスクリプションは「見える化」しておく
動画配信、クラウドサービス、定額制アプリなど、サブスク契約も増加中です。しかし、家族はその存在を知らないことがほとんど。
私の場合も現在契約しているサービスについて、画像付きの解約手順書を作成し、エンディングノートに保管しました。
- サービス名
- 月額費用
- アカウント情報
- 解約手順(スクショ付き)
これだけでも家族が手続きを進める際の負担を大きく減らせます。
5. まとめて管理するなら「エンディングノート」
紹介したような契約・名義情報は、エンディングノートにまとめておくのが一番確実です。
市販のノートを使っても良いですが、私は自分でExcelにまとめて印刷し、紙とPDFの両方で残しています。
「何がどこにあるか」が分かるだけで、家族にとってはとても助かります。
おわりに
契約や名義の整理は、終活の中でも非常に実務的で、家族への影響が大きい部分です。
手続きの全てを今すぐ終える必要はありませんが、「何がどこにあるか」をわかるようにしておくだけでも十分。
まずは、使っていない口座やカードの見直しから始めてみてください。
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