「何から始めればいい?」を解消するために
終活って、言葉はよく聞くけれど、実際に何をすればいいのかとなると、少しぼんやりしている人も多いかもしれません。
「エンディングノートを書けばいいのかな?」と思って始めても、気づけば他にも気になることがどんどん出てきます。
口座や契約の整理、持ち物の見直し、葬儀やお墓のこと――。
やるべきことは意外と多く、しかも内容も幅広いのが終活です。
このページでは、まず全体像をざっと把握できるように、終活で考えておきたい主な項目をリストにしてまとめています。
これから始めようとしている方が、「何があるのか」「自分はどこから取りかかるといいのか」がイメージしやすくなることを目指しています。
1.終活とは?
「終活」という言葉を耳にする機会が増えました。
これは「人生の終わりに向けた準備」をあらかじめ行い、本人も周囲も安心して過ごせるようにするための活動です。年齢に関係なく、自分らしく人生を締めくくるための前向きな取り組みといえます。
2.なぜ、今「終活」が必要なのか
終活という言葉を聞いても、どこか他人事のように感じる人は多いかもしれません。
けれど、ある日突然やってくる別れや病気、災害。そういった出来事をきっかけに、終活を考え始める人は少なくありません。
私自身も、父の急な死を経験したことで、「もし自分に何かあったら」と考えるようになりました。
葬儀の準備、関係者への連絡、口座や契約の整理…。予想以上に手間がかかり、心の余裕がない中で、家族が奔走することになります。
終活は、何歳からでも始めていいものです。
定年退職を迎えたあとに本格的に考える人もいれば、親の介護をきっかけに意識し始める人もいます。最近では、40代・50代から「そろそろ準備しておきたい」と動き出すケースも増えています。
大切なのは、“自分らしい最期”のために、そして“誰かを困らせないために”、できることから無理なく進めていくこと。
その第一歩を踏み出すタイミングは、実は「ちょっと気になった今」がちょうどいいのかもしれません。
3.終活でやること一覧(7つの分野)
終活といっても、やることは多岐にわたります。
以下の7分野に分けると、全体像がつかみやすくなります。
分野 | 主なやること |
1.情報の整理 | エンディングノート、パスワード、連絡先など |
2.お金のこと | 資産一覧、口座整理、保険、相続など |
3.契約と名義 | 携帯、水道・電気・ガス、カード、サブスクなど |
4.医療と介護 | 延命治療、介護希望など |
5.持ち物の整理 | 生前整理、写真・手紙、思い出の品など |
6.葬儀・お墓 | 葬儀内容、遺影、お墓、供養方法など |
7.メッセージ | 家族・友人にあてたメッセージ |
各分野のやること簡単ガイド
終活の全体像をつかんだところで、それぞれの分野で何をすればよいか、簡単に解説します。
1. 情報の整理
- エンディングノートの記入:名前や連絡先、家族構成、友人の一覧、やることリストの内容
- デジタル情報の管理:SNS、銀行などのID・パスワード管理。
- 重要書類の保管場所の明示:保険証券、不動産権利書など。
2. お金のこと
- 資産一覧の作成:預貯金、投資、不動産などの現状把握。
- 口座の整理:使っていない口座は解約し、メイン口座を明確に。
- 保険の見直し:保障内容が現在の自分に合っているかを確認。
- 相続対策の準備:必要であれば遺言書の作成も検討。
3. 契約と名義
- 公共料金や通信契約の確認:名義人や支払方法を明記。
- クレジットカードの整理:不要なカードは解約。
- サブスクリプションの管理:継続していないサービスを見直す。解約方法を確認。
4. 医療と介護
- 延命治療に対する希望の記録:自分の意思を明文化。
- 介護方針の共有:在宅か施設か、希望のスタイルを家族と話し合う。
- 任意後見制度の活用検討:判断能力が低下した際の備えとして。
5. 持ち物の整理
- 衣類や家電などの整理:使っていないものは譲る・処分。
- 写真や手紙などの思い出品:残したいものだけを選ぶ。
- 形見分けの準備:渡したい相手に気持ちを込めて指定。
6. 葬儀・お墓
- 希望する葬儀のスタイル:宗教の有無、参列者の範囲など。
- 遺影の準備:お気に入りの写真を用意。
- 墓じまい・供養の検討:将来を見据えて現実的に考える。
7. メッセージ
- 家族への感謝の言葉
- 人生で大切にしてきたこと
- 伝え残したくない思い
書いておくことで、気持ちが整理されるだけでなく、読む人の支えにもなります。
5. まず何から始めればいい?
終活の全体像を把握しながら、気づいたことをメモしていくことから始めるとよいでしょう。
まずはエンディングノートに取り組んでみるのもおすすめです。用意された項目をひとつひとつ埋めていくだけで、やるべきことが自然と見えてきます。書き進めるうちに、自分にとって何が大切なのかも整理されていくはずです。
6. おわりに:少しずつ、でも確実に
終活は「死の準備」ではなく、「人生の整理整頓」です。
まだ元気なうちに始めておけば、心にも時間にも余裕が生まれます。自分のために、そして誰かのために。今日から、少しずつ始めてみませんか。
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